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世界が注目する9歳のドラァグクイーンラクテイシア、逆境を乗り越え成功を掴む

2018.09.05

現在、世界的にドラァグクイーンブームが起きている。きっかけは2009年からスタートしたテレビ番組「ル・ポールのドラァグレース」。全米から選抜された10人程のドラァグクイーンが優勝の座をめぐり、死闘を繰り広げるリアリティショーで、ドラァグクイーン界でカリスマ的人気を誇るル・ポールがホストを務めている。

クリスティーナ・アギレラやレディ・ガガも審査員として参加するこの番組はシーズン10まで放送され、世界中で大ヒットしている。この番組に感化されたのは、大人だけではない。9歳の男の子の人生をも変えたのだ。

その男の子とは、カナダ・モントリオール在住のネミス・クイン・マランソンくん。ドラァグクイーンの「ラクテイシア」として大きな注目を集め、現在メディアに引っ張りだこだ。

Lactatia: Queen of the North <3

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Cuz I slay... All day

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ネミスくんは幼いころからドレスやスカートを着るなど、才能の片鱗を見せていた。7歳になった彼は、家族で「ル・ポールのドラァグレース」を見ていたとき「ドラァグクイーンこそ本当のアートだ」と感銘を受ける。

これが自らの生きる道だと悟ったネミスくんは、ラクテイシアと名乗りドラァグクイーンとしての活動をスタート。さらなる美しさを求めて、ドラァグクイーンが踊る「ヴォーギング」と呼ばれるダンスのレッスンを受け始めた。後に、ヴォーギングのコンテストでトロフィーを獲得するほどの成長を見せる。

そんなネミスくんの行動に協力的だったのが、母親のジェシカさん。2歳のとき、ネミスくんに初めてキャラクターもののイヤリングを付けてほしいと頼まれたとき、断らずに手を貸してあげた。さらに写真を撮ってあげた際、ネミスくんは自然とアヒル口をして、カッコよくキメたそうだ。

「親は子供の情熱を絶やさないようにするべきです。子育てで最も重要なのは子供の創造力と独立心、個性を育てることです」と、自らの教育論を語るジェシカさん。ドラァグクイーンについても「音楽、リップシンク(口パク)、ダンス、メイクの要素のあり非常に創造的で、すごくファンタスティックです」と非常にポジティブだ。

ラクテイシアに転機が訪れたのは昨年5月。「ル・ポールのドラァグレース」の出演者たちが手がけるツアー「ウェック・ザ・ワールド・ドラァグ・ツアー」のモントリオール公演に母子で訪れたときのことだった。

一流のドラァグクイーンがきらびやかなショーを披露する中、ラクテイシアは「ル・ポールのドラァグレース」シーズン6の優勝者であるビアンカ・デル・リオの目に留まる。

ステージに上げられたラクテイシアは拍手喝采で観客に受け入れられら。ビアンカとのトークは爆笑に次ぐ爆笑。この模様はSNSを通じて拡散され、ラクテイシアの知名度は一気に急上昇したのだった。

ドラァグクイーン界の次世代スターとして、注目を集めたラクテイシアは現在9歳。ほんの数年で、ファッションセンスやダンスパフォーマンスなど、ドラァグクイーンとして必要な幅広い才能を身に着けた。

18歳未満のためドラァグショーには出られないのだが、チャリティイベントや海外のフェスティバルなどに出演し、多くの観客を魅了している。

We learned how to do eyebrows

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一見順調に活躍の幅を広げているように見えるラクテイシア。しかし、その活動は常に世間の偏見との戦いだった。

ラクテイシアとジェシカが英国のテレビ番組「This Morning」に出演したときのこと。番組を見た視聴者から、ジェシカが自らの人生の代わりにラクテイシアをスターにしようとしているとバッシングを受けた。

「母親の野望のため、小さな男の子に自己主張させるべきじゃない」、「着たい服をどうぞ着せてください。ただ有名人にしようとするな。子供の生活を何だと思っているんだ」。「親が子供を性的に搾取しているとはおぞましい」という辛辣な意見も寄せられた。

またデザイナーのブランドン・ヒルトンは、ラクテイシアをモデルとして起用したことで大炎上。ラクテイシアへのプレゼントとして、母親のジェシカはドラァグクイーン用のブランド「HOUSE OF MANN」を手がけるブランドンに、衣装の制作を依頼された。ブランドンはこれを承諾。スパンコールのつなぎを作って届けると、いつもこのつなぎを身につけるほどラクテイシアは喜んだ。そこで、ブランドンもこの衣装を着たラクテイシアの写真を自身のSNSと公式サイトに掲載した。

しかし一夜明けてみると、ブランドンの元に批難が殺到。大量の殺人予告が届いたり、「小児性愛者」「子供虐待」などと訴えられたりする事態に。ブランドンは「ラクテイシアを性的に利用したつもりはない」と弁解に追われ、ジェシカもブランドンを擁護する騒ぎとなった。

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ドラァグクイーンに対する偏見が根付いてるために、ラクテイシアは常に批判を受けてきた。しかし、決してドラァグクイーンを辞めようとしない。それは彼が多くのドラァグクイーン界の重鎮と出会い、少しずつ夢を叶えてきたからだ。

ニューヨークで開催されたル・ポール主催のイベント「ドラッグコン」に招待されたラクテイシアは、この道に足を踏み入れるきっかけとなったル・ポールと対面を果たす。ドラァグクイーン界のトップに、早くも直接顔を合わせることができたのだ。

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さらに同イベントで、ラクテイシアが元々もっとも好きなドラァグクイーンと語っていたジンジャー・ミンジと一緒にステージに立った。観客の見守る中、ラクテイシアはジンジャーにメイクを施してもらい、さらに紫のウィッグとティアラを付けてもらって大変身。

ニューヨークのドラァグクイーン・アイコンとして知られるヴィヴァシャスとは、米国ELLEの取材中、サプライズという形で出会う。姿勢や頭の動かし方など、ドラァグクイーンとしてのパフォーマンスの手ほどきを直接受けることとなった。

ラクテイシアが普通の9歳では出来ない経験を手にしてきたのは、ひとえに周りの意見に左右されず、自らの信念を貫いたからに他ならない。ラクテイシアはあるインタビューでこのように語っている。

「誰もがやりたいことをやるべきです。他の人は関係ありません。もし、あなたがドラァグクイーンになりたいにも関わらず、親がやるなと言ったら、あなたに必要なのは新しい親です」

また、他のインタビューでは「私は生まれながらにして、自分の中にラクテイシアがいたと思います」と述べ、「何故なら私の好きな曲は『Born This Way(こうやって生まれた)』だから」と付け加えた。

突出した個性で、唯一無二の地位を確立したラクテイシア。今後の活躍から目が離せない。

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