Ue22kx0c

LGBTQ+当事者じゃない私が、多様性を考えるようになったワケ

2018.11.02

(文・漫画 / あさぬー

こんにちは、あさぬーです。普段はデザインしたり絵を描いたりして生活しています。 今回はジェンダーの問題とは無関係だと思い込んでいた自分が、LGBTQ+のことを知ってから腹落ちするようになった経緯をお話しします。

わたしが大学生の時、とある英語のクラスでLGBTQ+や多様性がテーマとして取り上げられたことがありました。

それまで、わたしがメディアで見かけるLGBTQ+の当事者はイロモノとして登場してばかりだったので、ゲイやレズビアンっていうのはみんなにおもしろがられる存在で、同性なら誰彼構わず襲ってしまうような人たちという、とってもひどいイメージを潜在的に持っていました。

単位を取るにはそのテーマについてちゃんと調べてエッセイを書かなきゃいけなかったので、その時人生で初めて真面目にLGBTQ+に向き合うことになりました。

調べていくにつれてわかったLGBTQ+像は、それはもう想像とは全く違い、ただセクシュアリティやジェンダーの感覚が自分とは違うだけの、なんら自分と変わらない人たちだということを知識として知りました。そして、ちゃんとその人たちが共存できるといいよなあ、と無意識に当事者と線引きしながら調べてまとめていました。

それからはちょっとLGBTQ+やジェンダーに関心が出て、ちょっと記事を見かけたら読んでみたり調べたりしながら、そういうマイノリティも含めみんなフラットに生きられるようになるといいね〜と思っていました。

時は経ち色々あって、大学在学中インターンにハマり込んだわたしは勢い余って大学を退学しました。そこから数カ所インターンするうちにデザインの世界に興味が出て、インターネットで情報集めたりまわりのデザイナーに教えてもらったりしながら、いつのまにかデザイナーとして働くようになりました。現在は週3〜4くらいでデザインしながら、絵を描いたりして生きています。

大学を辞めて現在に至るまでの間、わたしは少なからず生きづらさを感じるようになっていました。大学を中退したこと・美大出身じゃないデザイナーであること・週5働かないこと、どれをとってもマジョリティと違っています。普通に大人しくみんなと同じように進んでいれば起こりえないことだから、あらゆる面で周りに反応されるし、それをいろんな場面で感じてしまいました。

学生をしている同世代からは中退してることで人生失敗してるというイメージを持たれやすくなり、美大出身デザイナーから美大での経験を聞いてはなんとなく羨ましくて自信がなくなり、親からは週5働いていないということで「早くちゃんとした会社に入れるといいね」と心配されました。

最初は自分は大丈夫、私らしく生きるんだと意気込んでいたけれど、だんだん周りの声が気になって、しまいには毎日毎日これでいいのかな、こんな生き方でいいのかなってすごく苦しくなりました。苦しすぎてちょっと体調を崩しました。レールを外れると、こんなに心細くてこんなにも自分に価値が感じられなくなってしまうんだと思いました。

全ての自信をなくして、もう生きたくないなと思っていた時、たまたまLGBTQ+の当事者の記事に出会い、そして衝撃を受けました。

その人はとても優しくてしなやかで、それでいて強かった。自分の在り方が決して多くの人には理解されないということを受け止めながら、それでも自分の心の声を信じて自分の味方で居続けたのです。

そして何より驚いたのは、その人が苦しめられていたという偏見や不寛容さは今の自分が感じているそれと何も変わらないということでした。そこで初めて自分も「マイノリティであることに苦しめられていた」と自覚したのです。

それと同時に、LGBTQ+も退学した人も美大に行ったことがないデザイナーも週3しか働かない人も、みーーーんな同じ土俵にいるんだということに気づきました。あらゆる分野で一般的に"普通"とされることから外れると、偏見や不寛容に晒されるし、誰でも苦しめられる可能性がある。でもそこに優劣はないのです。

記事を読み進めていくうちにボロボロ涙が止まらなくて、ただただ共感することしかできませんでした。自分の苦しみと重ねて、初めてLGBTQ+の当事者で世間のレッテルに悩まされている人たちの気持ちがわかった気がしました。

それまでは"LGBTQ+"という枠でLGBTQ+を見ていましたが、そうではなく、私と同じようにレッテルで判断され、偏見や不寛容を被る可能性のある人間という、もっと根本の部分で見るべきだったのではないかと思いました。

どんなに自分は普通だと思っている人でも、突然自分のマイノリティ性に気づく可能性があるということ、そして、偏見や不寛容に苦しめられても自分の味方で居続けることで前を向けることをLQBTQ+を通して知ったのでした。

FOR YOU

MORE