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プロ奢ラレヤーの嫁!ベロニカさんに聞いた「ここが変だよ日本のジェンダーロール」

2018.11.06

Twitter界隈で話題のプロ奢ラレヤーをご存知だろうか?

彼だ。

実は彼には配偶者がいる。 東欧スロバキア出身の女性であり、Twitterで発信する内容がまた自由で、ちょっとクセがあっておもしろい。

筆者も以前からこのベロニカさんをTwitterでフォローしており、その常識に捉われない自由な生き方、独自の世界観に心酔していた。

時折発信されるジェンダーやフェミニズムに関するTweetは興味深いものばかり。

そこで思い切ってインタビューを申し込んでみたところ、快く了承していただき、今回の企画が実現したというわけだ。

というわけで今回は、巷で話題のプロ奢ラレヤーとの馴れ初め、ベロニカさんのジェンダーや教育に関する思想を聞いてきた。

(インタビュアー:今井 慧)

今井:プロ奢ラレヤーの彼とはどういった経緯でお知り合いに?

ベロニカ:初めて知り合ったのは私がチェコで学生だった頃で、彼はたまたまチェコに遊びに来ていたんですね。ある日、私の友達が彼を連れてウチに遊びに来たんです。そこでみんなで飲んでいるときに、彼が「今日泊まるとこない」って言ったんです。じゃあウチのベッド空いてるから泊まればいいじゃんって(笑)

今井:知らない人を泊めちゃうんだ(笑)。

ベロニカ:私の自宅は友達が集まる場所になっていて、寝泊まりする友達も多かったんです。私はすごくオープンな性格なので、彼も知り合ってすぐ仲良くなって、ウチに寝泊まりするようになったんです。

今井:なかなかすごい出会い方ですね。

ベロニカ:でも、彼が突然出ていってしまったんですよね。何も言わずにいなくなっちゃった。Facebookメッセージで「お世話になりました」とだけ残して…。

今井:ええ〜。

ベロニカ:数日後、彼から電話がきました。彼の誕生日の前日でした。電話に出たら、「結婚しよう」って言われて、「いいんじゃない」って(笑)。

今井:展開が早い!

ベロニカ:知り合ってまだ20日だったんですけど、毎日たくさん話して、誰と過ごすよりも濃い時間を過ごせた。一緒に生活していたので、お互いのことをよく理解できたんです。だから「この人だったら大丈夫」って思えたんですよね。

今井:そんな素敵な馴れ初めがあったんですね。

ベロニカ:はい。そうなんです。

今井:それではプロ奢ラレヤーさんのことを少し聞かせてください。彼は奢られながら生活していますが、奢る、奢られるって一般的には男性が女性に、あるいは先輩が後輩にする行為で、上下関係が生まれる印象がありますが…

ベロニカ:あ〜、彼の場合はぜんぜん違うんですよね。

今井:ほう!興味深いですね。

ベロニカ:彼が常にTwitterでおもしろい発信をし続けているから、それを見て「会いたい!」と思った人が彼に連絡をして、彼に「奢らせてください」って会いに来るんですよ。

今井:なるほど。確かに奢れば会えるってきっかけになりますもんね。

ベロニカ:彼がなぜ奢られて人と会うかというと、おもしろい人に会いたいからなんです。おもしろい人に会うためのきっかけのひとつが"奢られる"ということなんです。

今井:ちょっと質問を変えますね。以前、ジェンダーについてnote で書かれていました。日本の教育ってベロニカさんから見てどうですか?

ベロニカ日本の教育はダメでしょ。

今井:おお、バッサリ。どのあたりがダメですか?

ベロニカ日本の教育でいちばんダメなところは、考えることを教えていないところですね。みんな言われたことだけやっていれば良いという教育で、子どもたちが「なぜそう思うのか」「どうしてそういう風に考えたのか」を追求しない。だから、堂々と自分の意見を言える人が少ないように思います。

今井:なるほど。確かにそう思います。

ベロニカ自分の意見を言わないで、言われたことだけやるっていうのは楽かもしれませんが、自分がどうすれば幸せになれるかは自分で考えないと分からないんですよ。

今井:スロバキアの教育ってどうなんですか?日本とは全然違います?

ベロニカ:違いますね。一人ひとりが意見を求められるので、しっかり考えて、先生と話さないとダメです。授業では何かのテーマに対してディスカッションすることが多いですし、みんなそれぞれ意見を言わなければいけません。そういうところは日本とは違うと思います。

今井:なるほど。私もそんな教育を受けた記憶はないです。ちなみににスロバキアではジェンダーやLGBTQ+に関する授業ってあるんですか?

ベロニカ:ないですね。でも、LGBTQ+に関しては日本よりはるかに寛容だと思います。LGBTQ+はメディアで取り上げられることも多いですし、映画もよくやっています。私の友だちにもセクシュアリティをオープンにしている当事者はもちろんいましたし、LGBTQ+の存在は特別ではないですね。

今井:特別扱いしないんですね。

ベロニカ:でもやはり年配の方や、田舎の方はLGBTQ+に偏見を持っている人が多いです。MtFトランジェンダーの友達はいわゆる"女性らしい"服装をして街を歩いたときに批判を受けたと言っていました。

今井:スロバキアでですか?

ベロニカ:はい。年配の方に結構酷いこと言われたみたいです。

今井:日本もそうですが、どこの国でも年配の方や田舎の方って閉鎖的な傾向にあるのかもしれません。

今井:以前、noteで「異性へのリスペクトが大切」と書かれてましたが、具体的にはどういうことなんですか?

ベロニカ:男女は身体的な特徴が違うという意味で、完全にフェアにはなりにくい。でも、そこに必要なのは、お互いへのリスペクトだと思うんです。身体的なレベルではなく、精神的なレベルで。

今井:身体的に異なる部分を理解した上で、精神的なレベルではリスペクトすると。

ベロニカ:例えば、子どもを産めるのは女性だけだから育てるのは女性の仕事っていう考えっておかしいでしょ?父親が育児休暇とって子育てして、母親が働きに出るのも良いですよね。

今井:うんうん。

ベロニカ:日本で驚いたのは、あまりにも男性優位な文化です。男の人が主婦に対して「お前は家にいるだけで何にもしてない。俺は家の為にこんなに稼いでるのに」というシーンをテレビで観たことがありますが、それは男性から女性へのリスペクトが足りないからだと私は思います。

今井:まだまだテレビドラマなどではありがちなシーンですね。実際の家庭でもありえる会話だと思います。メディアが男女平等ではない価値観を助長させるような風潮は今の時代にはきっと合っていない。なんとかして僕たちの世代で変えていきたいことのひとつだと思っているのですが。

ベロニカ:まずは多様性に気づいてもらうことが大切だと思います。異性をリスペクトできない人たちは気づいていないんです。メディアが正しい情報や多様である世界を発信し、それに気づく人を増やしていくことが大事だと思います。今まで自分が当たり前だと思っていたことが、実は当たり前じゃないということに気が付く人が増えれば、少しずつ社会の在り方は変わると思うんです。ですからメディアとして頑張って発信してくださいね。

今井:本当にその通りだと思います。少しでも多くの人に知ってもらうこと、気づかせることは私たちメディアの仕事ですね。

ベロニカさんの話で特に印象的だったのは、「異性へのリスペクト」「教育による相互リスペクト」というワードだった。

男性優位な社会が変わるには、まずは性の多様性を知ること、そして異性へのリスペクトができるようになることが大切かもしれない。

そしてベロニカさんのように常識に捉われず考えられる人が増えていくことが大事なのである。

(撮影:漆原未代

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