Id 20180001

大切なあの人にカミングアウト!セクシュアルフルイディティの娘から、我の強い母へ

2018.08.01

セクシュアルフルイディティ(好きになる相手の性別が流動的で定まらず、その時々の相手によって変わる)と自覚している娘が、我の強い母に思い切って自分のセクシュアリティをカミングアウトした。その時の母の反応とは…?

カミングアウトから1年後、改めて母に話を聞いてみることにした。

—カミングアウトされたとき、どういう気持ちだった?

:カミングアウトなんてされたっけ?忘れたわ(笑)

:したじゃん…はじめて彼女ができた時に「恋人ができたけど、相手は女の子なの」って泣きながらカミングアウトしたじゃん…。

:ああ、少し思い出した。あんたが幸せならいいんじゃないの?って思ったかな。

:あんまり覚えてないんだね…なんだか悲しい…。 驚かなかったの?

:大泣きしてることには多少驚いた。悪いことしてるとでも思ってたの?カミングアウトに対しては、「ああ、今好きな子は女の子なんだ。へえ」って感じ。別に驚かなかった。あなた、もともと変わってるし(笑)

—わたしって小さい頃どんな子だった?

:年上から可愛がられる人懐っこい子だったね、でも今思うと変わってる子だったかも。

:どんなところが?

:興味のあること以外話を聞かなかったり、協調性がなくてグループ行動が苦手だったりした。

:人懐っこいのに協調性ないって矛盾している…。

:あはは、そうね。個性が強いっていうか、行動が読めない子だったからイライラさせられたわ。

:印象的なエピソードはある?

:4歳くらいの時に、近所の子と遊んでて急にいなくなったことがあったんだよね。誘拐されたかと思って近所の人と夕方まで探し回ったら、「おかーさーん」って知らない家のベランダからニコニコしながら手振ってて。「この野郎心配させやがって」と思った。

:他には?

:8歳のとき、初めて一人で美容院に行かせたら坊主くらいのベリーショートになって帰ってきて、ニコニコしてたこと。せっかく肩まで伸ばして髪も綺麗だったのに…この野郎…って思った。

:今もだけど、ボーイッシュな格好が好きだったんだよね。

:確かに、服も靴も、スポーツブランドの物ばかり欲しがってた。

—どんなことを大切にして育ててきたの?

:娘が世間に出たときに恥ずかしい思いをしないように、と思って厳しく育てていたけど…厳しすぎたと後悔してる。

:と、いうと?

:あなたがクラスメイトに何を言われても言い返さず黙っているのを見て、「どうして言い返さないの?」としか言わなかった。もう少しあなたの話を聞いてあげればそのときの気持ちをわかってあげられたのかなと、今は思うよ。

:どうしてそう思ったの?

:大人になって、あなたの話をたくさん聞くようになってそう思った。私にカミングアウトするまでも、きっと苦しいことが沢山あったんだろうなって。

—カミングアウトを通して、娘との関係性は変わった?

:なんにも変わらない。あなたはあなただから。

:以前と変わらず仲良しってことでいいかな?

:……………うん。

:え、なんで溜めたの?

:(笑)

—これから娘にはどうなっていってほしい?

:一度しかない人生、自分の思うようにやりたいように生きてほしい。あなた、小さなことですぐ落ち込むけど、何度失敗したっていいじゃないの。その分成長しているんだから。

:…うん(泣)

—カミングアウトに悩むLGBTQ+に伝えたいこと

:無理にカミングアウトする必要はないと思うけれど、恐れずに、これが自分!って自信を持つべきだと思う。それを否定する人はこっちから願い下げ、くらいの気持ちでいて良いんじゃないかな。とにかくいろんな人がいるのだから、自分のことを一番に考えて幸せになってほしい。

:大切にしたい人ができたなら、自分が今大切だと思っている人にも伝えるべきだと私は思っています。うまく言えないけど、自分が強く大切にしてる人なら相手もそう思っているはず、怖いと思うけど…思いは伝わるはずだから。

—カミングアウトされた家族に言いたいこと

:ショックを受ける人がほとんどだろうけど、子どもの人生だし、家族だとしても、とやかく言う権利はないと思うよ。自分の子どもか幸せになろうとしてるなら世間の目を気にせず、応援するべきだと思う。

私が母にカミングアウトをしようと思ったのは、初めて彼女ができたことがきっかけだった。

それまで、友だちには女性も恋愛対象であると言うことは伝えていたが、母には「世代も違うし、感覚の差があるかもしれない」と思い、なかなか言い出すことができなかった。

しかし、LGBTQ+の活動が盛んになりつつある今の時代、「世代が違うから」「年が上だから」などの理由はカミングアウトには関係ないのかもしれない。

話していく中で、母の淡々とした態度の中にも私への愛情を感じることができた。「娘が選んだ幸せなら、それでいい」という母と、「大切にしたい人ができたことを、大切な人に伝えたかった」という私。二人の言葉は、母と私が信頼し合う関係だからこそ出てくる言葉なのではないかと思った。

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