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ひとりの人と付き合うの、やーめた! 下ネタブロガーあんちゃが真面目に語る愛の形

2018.08.29

インフルエンサー、ブロガーとして活躍するあんちゃさん。下ネタや働き方をメインに発信を続けていた彼女が7月に公開したのは、わたしが「一人の恋人と付き合う」という行為をやめた理由というインパクトのあるタイトルの記事だった。

記事につづられていたのは、あんちゃさんの恋愛は「『ポリアモリー(複数愛者)』の概念に近い」ということ。ポリアモリーは同時に複数の人を愛するセクシュアリティのことなのだが、彼女の恋愛観をつづったその記事は大きな反響を呼び、恋愛のあり方について考える多くの人を勇気づけた。

今回は、多様な生き方や働き方、性のあり方について考えるあんちゃさんにインタビュー。彼女が考える新しい愛の形に迫った。

(インタビュアー:合田 文)

合田 : いきなりですがあんちゃさん、彼氏と別れたとお聞きしました。

あんちゃ : そうですね。noteにも赤裸々に書いたのですが、1か月ほど前に別れることになりました。

合田 : noteは私も読ませていただきましたが、真面目な記事を書かれていたので正直びっくりしてしまいました。あんちゃさん、いつもうんことかバイブバーの話をされているので!

あんちゃ : …。

「初対面なのにいきなりすごい勢いだな」と思っているに違いない表情

合田 : 賛否両論がありそうな内容でしたが、実際はどうだったんでしょうか?

あんちゃ : あたたかい反応が多かったのが印象的でしたね。有料記事なので、もともと私の価値観に共感してくれる人が読んでくれたのだとは思いますが、思った以上に皆さん寛大でした。

合田 : 記事の中で、恋人とお付き合いして一定期間が経つとセックスレスになってしまうと書かれていましたよね。それって普通なのでは?と正直思ってしまったのですが…。

あんちゃ : えっ、そうなんだ!?

合田 : だって、ずっとガンガンセックスするなんてやばくないですか!?(大声)

編集部の突然の大声に思わず笑ってしまったあんちゃさん

合田 : …すみません、大きな声を出してしまいました。もちろん、愛情表現・コミュニケーションとしてのセックスを続けていくカップルはたくさんいると思うのですが、時間が経つにつれて頻度が少なくなったり、愛情表現の形が変化したりする人たちも多いのではないかと思います。

あんちゃ : そうかもしれませんね。私があの記事を公開した後も、「誰にも言えないけど実は私もそうなんです」という内容のメッセージをたくさんいただきました。だから、同じ悩みを抱えている人は意外と少なくないのかもしれません。

正直、セックスレスのこととか、複数の人と付き合いたい欲求があることって人には相談しにくいじゃないですか。私の場合は理解してくれる人が多かったけれど、誰にも相談できなくて息苦しい思いをしている人たちだってきっとたくさんいる。私がnoteを公開した事で、そんな人たちの存在が視覚化されたと思っています。

合田 : 別れた彼に、パートナーのひとりになってもらうという選択肢はなかったのですか?

あんちゃ : うーん、特には考えていなかったですね。ただ人としてはとても好きだしお互いのことを理解し合えて いたので、今後も普通にご飯を食べるとか、仕事の相談をするのは続けたいねとなりました。

合田 : 今はパートナーはいらっしゃるんですか?

あんちゃ : います!その人たちにももちろん、私の恋愛の形は理解してもらっています。

合田 : 相手もまたポリアモリーなのですか?

あんちゃ : うーん、彼らがポリアモリーかどうかは実は把握していないんです(笑)。

合田 : まあ、合意が取れていれば、把握はしてなくてもいいのか…。彼らにヤキモチを妬かれることは?

あんちゃ : あー、どうなんだろう。特別聞いたことがないかもしれない…。

もはやただの恋バナになっている

あんちゃ : ただ、私のパートナーはみんな複数愛について理解があるので、その点についてもめるということはありません。みんな「いいんじゃない」という感じで。

合田 : 複数愛は浮気と混合されることも多いと思うのですが、そのあたりについてはどうお考えですか?

あんちゃ : 私は、“浮気”はパートナーに言わないことだと思っています。当事者同士がすべて同意の上で行っているのなら、浮気ではなくて“複数愛”。だから私は今のパートナーにも自分の恋愛の形をオープンにしているし、理解もしてもらっていますね。

隠し事をすれば後ろめたい気持ちが生まれてしまうし、私の場合はすぐ顔に出るので嘘ついてもバレるんですよね(笑)。だから、最初から自分の恋愛の形をオープンにしています。事前に話して理解してもらうことではじめて、フェアな関係が築けると思っていますね。

合田 : 結婚願望はあるんでしょうか?

あんちゃ : 今のところ結婚願望はありません。結婚という契約に縛られずとも、夫婦のように関係性を作ることはできるから、特に結婚にメリットを感じていないんですよね。ただ、子育てはしたいですね。

合田 : へ〜。結婚願望はないけれど子育てはしたい、というの、なんだか意外です。

あんちゃ : 子育てはしたいです。でも、必ずしも血が繋がっていなければいけないとは思っていません。うちは両親が離婚しているので父親が二人いるんですが、義父も私にとっては大切な家族なんですよね。血の繋がりは関係ない。

今は、コミュニティで子育てをする、というのが面白いんじゃないかと思っています。ひとりの子どもにふたりの親、という従来の形ではなく、同じ考えや価値観を持った大人たちが一緒になって子育てをするというものです。

合田 : すごく面白いですね。働き方もだんだん多様になってきているし、「私何時まで仕事だからちょっとみといて!」とかも、実現できそう。

あんちゃ : そうですね。今私はシェアハウスに住んでいるんですが、みんなで子育てするシェアハウスを作ってもいいんじゃないかと思っています。

合田 : いいですね!私もたくさんの大人に囲まれて育ったのですが、毎日違う大人に代わりばんこにお風呂に入れてもらう生活は、本当に良い思い出になっています。“お父さん”と“お母さん”だけが親なわけじゃないですよね。

あんちゃ : そうですよね。ひとりと愛し合って、結婚して、ふたりの親が血の繋がった子どもを育てるのが“当たり前”、という考え方に、すごく疑問を感じています。

合田 : というと?

あんちゃ : だって、結婚っていう契約がないと信頼を築けないとか、血が繋がっていないと愛せないとか、そういう“形式的な何か”がないと愛せないというのはそもそもおかしいじゃないですか。本当の愛って、そんなもんじゃないはず。

合田 : 本当の愛。深い言葉ですね。

あんちゃ : 私は、結婚や恋愛の選択肢を少しずつ増やしていきたいと思っています。労働者が声を上げることで政府が副業を解禁したように、恋愛のあり方や家族の形だって、私たちの力できっと変えることができる。だから私はこれからも発信を続けていきたいと思っています。

インタビューは、あんちゃさんの力強い言葉で結ばれた。

多くのフォロワーを抱える彼女が自分の恋愛のありかたについて言及するには、大きな勇気が必要だっただろう。たとえこれまで批判や炎上を何度も経験してきていたとしても、だ。

しかし、大きな影響力を持つ彼女が勇気を持って発信したことで救われた人が、確実にいる。彼女の勇気に背中を押された人も、ひとりやふたりではないはずだ。

今後もあんちゃさんは多様な愛の形について語り続けていくだろう。「本当の愛ってそんなもんじゃない」、という言葉とともに。ひとりひとりの勇気ある発信がこれからの愛の在り方を変えていくと、私たちは信じている。

(撮影:漆原 美代

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