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【LGBTQ+基礎知識】レズビアンってなに?

2018.11.27

あなたはレズビアンについてどれくらい知っていますか?

レズビアンという言葉は知っているけれど詳しいことがわからず知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

レズビアンについて学びたいけれど、本人たちにはなんとなく聞きづらい…。自分がレズビアンだと気づいたけれど、わからないことだらけ…。この記事ではそんなLGBTQ+当事者やアライ初心者の疑問に答えながら、レズビアンについて説明します。

  • 1. レズビアンってなに?
  • 2. レズビアンって一時の気の迷いじゃないの?
  • 3. レズビアンってどうやってセックスするの?
  • 4. レズビアンってどちらかが男役なの?
  • 5. レズビアンのこと、レズって言ってもいいの?
  • 6. 勝手に他の人に言っちゃダメなの?
  • 7. レズビアンって男の人が嫌いなの?
  • 8. どんな風に接すればいいの?
  • レズビアンとは、女性として女性を好きな人のこと。レズビアンの中には男っぽい見た目の人も女っぽい見た目の人もいます。女性とセックスをする人もいれば、身体的な関係を持たずに精神的にだけ愛し合う人もいます。

    性別を考えるときには、「生まれたときの性」「心の性」「好きになる性」「表現する性」の4つの軸で考えるとされています。※Paletteでは「生まれたときの性」を「生まれたときの戸籍の性」として使用しています

    では、レズビアンの場合その軸はどのように表現されるのでしょうか。例をあげて見ていきたいと思います。

    【レズビアンのAさんの場合】
    Aさんは、生まれたときの性は女性で、心の性(性自認)も女性です。好きになる性は女性ですが、髪の毛が短く中性的な見た目をした女性のことも好きになるので、好きになる性の数直線はやや男性によった位置に印をつけました。表現する性は女性です。

    【レズビアンのBさんの場合】
    Bさんは、生まれたときの性は女性で、心の性(性自認)は中性よりの女性です。好きになる性は、女性です。日によってフェミニンな服装もボーイッシュな服装もすることがあり、立ち居振る舞いも性別による"らしさ"にこだわっていないため、表現する性は男性から女性まで広く丸をつけました。

    このように、一言に"レズビアン=女性を好きになる女性"と言っても、一人ひとりが持つ「生まれたときの性」「心の性」「好きになる性」「表現する性」はグラデーションのように違っているのです。

    思春期はホルモンバランスの変化が激しいため、それにともない性自認(自分の性をなんだと認識するか)、性的指向(好きになる性)、表現する性が揺れ動くこともあります。

    しかし、恋愛対象がどんな人に向くのかは「ほとんどの人は生まれつききまっている」と言われています(参考:QWRC&徳永桂子(2016)『LGBTなんでも聞いてみよう 中・高性が知りたいホントのところ』)。また、性的指向は自分の努力や治療によって変えられるものではないということもわかっています。

    もちろん、一度レズビアンを名乗ったらこの先ずっとレズビアンとして生きていかなければならないという訳でもありません。

    性的指向は努力や治療で変えることはできませんが、時間とともに移り変わっていくこともあるもの。自分の性的指向に確信が持てない間は、「女の子を好きになることもあるんだな」と自分のことを知っておくだけでもいいかもしれません。

    多くの親は、自分の子どもに幸せになってほしいと願っています。だからこそ、つらいことの少ない"ふつうの道"を歩んでほしいと思い、「いつかちゃんと男の人を好きになる」という言葉に繋がってしまったのかもしれません。

    しかし、人を好きになることに"ふつう"なんてありません。あなたがレズビアンでも、そうでなくても、あなたが感じる"好き"は素敵なもの。同性を好きになるのが今だけだったとしても、これからもずっとそうだとしても、あなたの気持ちを大切にしてみてください。

    「レズビアンってどうやってセックスするの?」

    多くのレズビアンが投げかけられたことのある質問かもしれません。そしてそのうちのほとんどが、「ははは〜何言ってるの〜」と笑って受け流したのでしょう。

    まずレズビアンのあなたに覚えておいてほしいことは、「そんなプライベートなことを聞くのは失礼だよ」と相手に伝えても良いということです。

    考えてみてください。ヘテロセクシュアル(異性愛者)の人間に対して、たとえそれがお酒の場であっても「あなたはどんなセックスをするの?」と聞くでしょうか。聞きませんよね。

    もしかしたら相手は男性器なしのセックスが成立するのかを心から疑問に思っていて、質問に悪意はないのかもしれません。それでもあなたがそれを聞かれて不快な気持ちになったなら、その質問に答える必要はないと、Paletteは考えています。

    誰も教えてくれないからレズビアン本人に聞くんだよ、と思う読者もいるかもしれません。そんな読者に、考えてみてほしいことがあります。

    "セックス=男性器を挿入するもの"という固定概念を持ってはいないでしょうか。Paletteでは、挿入することだけがセックスだとは考えていません。どこからをセックスと考えるのかも人によってさまざまだと考えています。

    もしも「レズビアンってどうやってセックスするの?」という問いに対して事細かに答えてくれるレズビアンがいたとしても、その人のセックスがすべてのレズビアンにとってのセックスの形ではありません。そう考えると、「どうやってするの?」という質問はあまり意味のないものだと思えてきませんか?

    レズビアンと聞くと、宝塚のような"男らしい"見た目の女性を想像する人もいるでしょう。しかし、レズビアンにはいわゆる"男らしい"とされる人、いわゆる"女らしい"人、そのどちらでもなく見た目から性別の判断がつきにくい人などたくさんの人がいます。

    必ずしも"男らしい"見た目の人と"女らしい見た目の人"がお付き合いをしているわけではないのです。

    レズビアンがヘテロセクシュアルの人(異性愛者)から「どちらが男役なの?」と聞かれることは多くあるようです。その理由は、異性愛者にとっては"男と女がお付き合いすることがふつう"であるから。レズビアンカップルは、男女のカップルを模倣するようなお付き合いをしていると無意識に思ってしまうのかもしれません。

    ところで、あなたが考えている"男役"と"女役"のイメージはどんなものでしょうか?

    男役=いつも彼女のことをリードする、意欲的に働く、ご飯をご馳走したり生活費を多く負担したりする。女役=優しく穏やか、家事が得意、パートナーをサポートする。あえてステレオタイプに当てはめようとすると以上のようなイメージになるのではないかと思います。

    しかし、男女のカップルでも実際に上記のような役割分担をしている人たちばかりではありません。料理が得意な男性もいれば、パートナーよりもたくさん働く女性もいるはず。レズビアンカップルも同様に、どちらかが必ず"男役"や"女役"を担当しているわけではないのです。

    レズビアンは"レズ"という略称で呼ばれることがあります。これは多くの当事者にとって侮蔑的に感じられる言葉で、他者のことを略称で呼ぶことは避けたほうが良いでしょう。

    一方でレズビアンが自分自身のこと、また同じセクシュアリティをもつ人のことを"レズ"と呼ぶこともあります。特に最近の若いレズビアンの間では、ネガティブな意味を含まずに"レズ"と呼称することが増えてきているようです。

    「結局のところ、レズって言ってもいいの?」と思う読者もいるでしょう。Paletteとしての答えは、他人に対しては「言わない方が良い」です。

    たしかに第三者に"レズ"と呼ばれることに抵抗のないレズビアンもいます。しかし、"レズ"が侮蔑的な用語とされていたことや、不快感を覚えるレズビアンを「ないもの」にしてはならないのです。

    セクシュアリティのことにかかわらず、他者の秘密をその人の許可なく第三者に話すことをアウティングといいます。過去にはアウティングがきっかけで大学生が自殺してしまう事件が起きたこともあり、カミングアウトされた場合にはアウティングしてしまわないように気をつける必要があります。

    今回の相談では友人は"オープンリーなレズビアン"とされていますが、本当に彼女がオープンリーであったのか考えることも必要です。オープンリーに見えても、会社の中でだけ、クラスメイトにだけなど、実はカミングアウトする相手をコミュニティごとに選んでいるという場合もあるからです。

    アウティングについては後の章「どんな風に接すればいいの?」で詳しく説明しているので、そちらも読んでみてくださいね。

    結論からお伝えすると、"レズビアンだから男の人が嫌い"というわけではありません。恋愛対象として好きになるのが女性なだけで、必ずしも男性に対して嫌悪感を持っているわけではないのです。

    もしも男性が嫌いなレズビアンがいたとすれば、それは"レズビアンだから"ではなく、"その人が個人的に男性が嫌い"なだけ。レズビアンだから嫌いなのだ、と一括りに考えるのは避けた方が良いですね。

    あなたのいちばん大切な人を想像してみてください。もしもその人に「実は私、同性を好きになるんだ」と打ち明けられたらあなたはどうするでしょうか。驚くかもしれないし、大きなショックを受けるかもしれません。今まで身近に同性を好きな人がいなかったのだとすればそんな気持ちになるのは当たり前です。

    しかし、もしもあなたにカミングアウトをしてくれたのなら、それはあなたを信頼している証拠だとPaletteは考えます。だからこそ、身近な人がレズビアンだった場合、以下のことを大切にしてほしいのです。

    ここまでお話ししてきた通り、"レズビアンだから○○だ"のような決まった形はありません。カップルの間の役割分担も、"レズ"と呼ばれることを不快に思うかも、セックスの仕方も人それぞれ。決まった形に当てはめたり、こうだと決めつけたりしないでください。

    レズビアン以外のセクシュアリティについても言えることですが、セクシュアリティは目に見えるものばかりではなく、揺れ動いたり迷ったりもするものです。誰かのセクシュアリティを決めつけず、ありのままの相手と接してみてください。

    先ほどもお話しした通りカミングアウトをされた場合は動揺するかもしれませんが、冷静になって以下の点について確認してみてください。

    まず、他に誰がこのことを知っているのか。そして誰に情報を共有していいのか。相手の同意なく他者に秘密を共有することはアウティングと呼ばれ、相手を深く傷つけ命の危険に及ぶこともあります。また、「誰に言ってもいい」と言われた場合でも、本人から直接カミングアウトを受けていない人との間でセクシュアリティを話題にするのは避けた方が良いでしょう。

    それは話を聞いた側がレズビアンについて否定的な考え方を持っている可能性もゼロではないから。本人を交えない場で人間関係に傷が入ってしまうこともありえるのです。

    相手がレズビアンだということがわかったとしても、あなたと相手との関係性は何ら変わりありません。結論から言うと、相手がレズビアンだからと言って特別に接する必要はないのです。

    "レズビアン"として友人をラベリングして見ることは、相手も望んでいないはず。"そのままの相手"としてのお付き合いを続けてください。

    もしかすると、付き合いを続けていく中でセクシュアリティに関することで相手を傷つけてしまうこともあるかもしれません。もしもそれが怖いなら、本やインターネットでLGBTQ+についての正しい情報を集めてみてください。もちろんそのときに、このPaletteを使ってもらえれば嬉しいなと思っています。

    <参考文献> QWRC&徳永桂子(2016)『LGBTなんでも聞いてみよう 中・高性が知りたいホントのところ』、藤井ひろみ・桂木祥子・はたちさこ・筒井真樹子(2007)『医療・看護スタッフのためのLGBTIサポートブック』、牧村朝子(2017)『ハッピーエンドに殺されない』、遠藤まめた(2016)『先生と親のためのLGBTガイド もしもあなたがカミングアウトされたなら』

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