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【2018年版】同性パートナーシップの結び方|全9自治体まとめ

2018.12.12

2015年に渋谷区を皮切りに始まった同性パートナーシップ証明(パートナーシップ宣誓)の制度。制度開始から約3年が経ち、少しずつ実施自治体・導入を検討する自治体が増えてきましたが、その手続き方法は意外と知られていません。

全国で提出書類が統一されている結婚とは違い、パートナーシップは必要書類や手続きの手順も自治体によってさまざまです。この記事では、パートナーシップ証明(宣誓)の方法をまとめました。

パートナーシップに関する制度は自治体により正式名称が異なるため、本記事内ではすべて"パートナーシップ制度"の通称を使用いたします。

  • 1. 同性パートナーシップ制度がある自治体は?
  • 2. 札幌市編
  • 3. 東京都渋谷区編
  • 4. 東京都世田谷区編
  • 5. 東京都中野区編
  • 6. 兵庫県宝塚市編
  • 7. 三重県伊賀市編
  • 8. 大阪府大阪市
  • 9. 福岡県福岡市
  • 10. 沖縄県那覇市編
  • 11. パートナーシップ申請者の声
  • 12. パートナーシップ申請前に、必ず自治体に確認を
  • 現在同性パートナーシップ証明ができる自治体は、以下の9つです。

    <北海道地方>
    札幌市
    <関東地方>
    東京都渋谷区
    東京都世田谷区
    東京都中野区
    <近畿地方>
    大阪府大阪市
    兵庫県宝塚市
    三重県伊賀市
    <九州地方>
    福岡県福岡市
    沖縄県那覇市

    この他にも実施を検討している自治体は少しずつ増えてきています。

    (自治体別制度比較はこちら「結局のところ、何ができるようになるの? パートナーシップ制度比較早見表」

    しかし、まだまだ申請数は全国で数百件にとどまり、「身近に制度を利用した人がいないから手続きの方法がわからない…」という人も多いのではないでしょうか?

    ここからは自治体別に、手続きの方法をお伝えします。

    ①宣誓する日時を事前に電話等で調整する
    ②必要書類をそろえ予約した日時に二人で来庁する
    ③札幌市職員の前で、確認書と宣誓書を記入する
    ④札幌市から宣誓書の写しと宣誓書受領書が交付される

    <提出書類>
    ・住民票(マイナンバーの記載がないもの)
    ・独身を証明する書類(戸籍抄本など)
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する、一方又は双方が性的マイノリティのふたり。
    ・双方が20歳以上であること。
    ・市内に住所を有する、または、市内への転入を予定していること。
    ・双方に配偶者がいないこと及び他にパートナーシップの関係にないこと

    札幌市のホームページには、具体的な使用場面は明記されておらず、「性的マイノリティの方の気持ちを受け止める取組として」行われているもの。パートナーシップ制度の開始により携帯電話の家族割などの民間サービスが波及することを期待しているそうです。

    編集部コメント
    札幌市の担当者に確認したところ、宣誓の予約は前日でも可能とのこと(ただし、担当者の予定が空いている開庁日に限る)。
    「○日前までに予約が必要」という決まりがある自治体もある中で、直前でも予約ができるのは嬉しいですね。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず札幌市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①区役所に事前相談に行く(公正証書の作成方法などはここで尋ねましょう)
    ②公証役場で公正証書(合意契約・任意後見契約)を作成する
    ③渋谷区役所に申請にいく(事前予約不要)
    ④約1週間後、パートナーシップ証明書が交付される

    <提出書類>
    ・戸籍謄本
    ・公正証書(任意後見人契約、合意契約)
    ※当事者の状況に応じて特例適用がなされ、合意契約公正証書のみの確認となる場合があります。詳細は渋谷区ホームページをご確認ください。
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する双方
    ・渋谷区に居住し、かつ、住民登録があること。
    ・20歳以上であること。
    ・配偶者がいないこと及び相手方当事者以外のパートナーがいないこと。
    ・近親者でないこと。

    ・区営住宅への応募
    ・区内の医療機関での対応

    渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例では、パートナーシップ証明について以下のように定められています。

    第11条 区民及び事業者は、その社会活動の中で、区が行うパートナーシップ証明を最大限配慮しなければならない。
    2 区内の公共団体等の事業者及び事務所は、業務の遂行にあたっては、区が行うパートナーシップ証明を十分に尊重し、公平かつ適切な対応をしなければならない。

    第16条 渋谷区営住宅条例(平成9年渋谷区条例第40号)及び渋谷区区民住宅条例(平成 8 年渋谷区条例第27号)その他区条例の規定の適用に当たっては、この条例の趣旨を尊重しなければならない。

    渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例

    区営住宅への応募は同性パートナーにも認められていると明文化されています。
    その他具体的な取り組みについては公表されていませんが、区内の医療機関での対応にも便宜がはかれるのではと期待されています。

    編集部コメント
    渋谷区は、パートナーシップ制度の利用のために公正証書の作成が必要な唯一の区。
    他の自治体に比べ手続きはやや複雑。申請までの心理的なハードルも高いかもしれませんが、渋谷区のホームページで丁寧に解説されているほか、相談窓口も設けられています。必要に応じて区に相談してみてください。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず渋谷区ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①担当課に連絡する(申請の3日前まで)
    ②宣誓日時、場所を記載した通知が送付される
    ③通知の日時に区役所へ行き、宣誓
    ④区から宣誓書の写しと宣誓書受領証をもらう

    <来庁時に必要>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する同性カップル
    ・二人とも20歳以上であること。
    ・二人が区内に在住であること。または、一人が区内在住で、もう一人が区内への転入を予定していること
    ・二人とも他の人と法律上の婚姻関係にないこと。
    ・二人とも他の人とパートナーシップ宣誓をしていないこと。または、宣誓したことがある人の場合、宣誓書廃棄の手続きをしてあること。
    ・二人の関係が親子または兄弟姉妹ではないこと。

    世田谷区ホームページには現在は具体的な使用場面は明記されていません。
    パートナーシップ制度は「同性カップルの方の気持ちを区が受け止めるという取組み」とのこと。

    編集部コメント
    現在取り組みが行われている全9自治体のうちもっとも手軽に手続きができるのが世田谷区。複数の提出書類が必要な自治体が多い中で、本人確認書類のみで申請ができる手軽さが、申請数ナンバーワンの理由のひとつかもしれません。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず世田谷区ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①区役所に宣誓希望日を予約する(14開庁日前まで)
    ②必要書類を提出する(7開庁日前まで)
    ③区役所が内容確認
    ④当日区役所に行き宣誓。受領証が交付される。

    <提出書類>
    ・住民票の写し
    ・戸籍抄本
    ・パートナーシップ宣誓書
    ・パートナーシップ宣誓に関する確認書
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべての要件を満たしている者
    ・パートナーシップの関係にあること
    ・宣誓を行う当日において20歳以上であること
    ・住所について、次のいずれかに該当すること
    (1)双方が区内の同一所在地に住所を有している
    (2)一方が区内に住所を有し、他方が当該住所を自らの住所とすることを予定している
    (3)双方が区内の同一所在地に住所を有することを予定している
    ・双方に配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻と同様の関係にある者で同居している者を含む)がいないこと
    ・双方が宣誓しようとする相手の他にパートナーシップの関係にある者がいないこと
    ・宣誓をしようとするもの同士が直系血族又は三親等内の傍系血族若しくは直系姻族の関係でないこと

    中野区のホームページには、具体的な使用場面は明記されていません。

    パートナーシップ制度については以下の通り掲載しています。

    この受領証は、提示等によって法律上の権利・義務などを付与する効果を生じさせるものではありませんが、区は、この取組の趣旨について区民や事業者の理解が広がるよう取り組んでいきます。

    中野区ホームページ

    中野区では、公正証書の交付申請を行うことができます。パートナーシップ宣誓の際に公正証書を提出すると受領証にその旨が明記されます(後からの提出も可能)。

    編集部コメント
    今回調査したなかで、もっとも段取りの数が多いと感じたのが中野区です。14開庁日前までの予約、7開庁日前までの書類提出など、申請まで1か月ほどかかります。
    宣誓書と確認書も当日ではなく事前に提出するという他にはないスタイルなので、不備がないように十分気をつけましょう!

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず中野区ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①宝塚市へ事前連絡をする(宣誓要件、必要書類などの確認)
    ②宣誓日時の調整をする(調整案内文書が届く)
    ③市職員の前で宣誓書に記入する
    ④受領書が交付される

    <提出書類>
    ・独身証明書
    <来庁時に提出>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する同性カップル。
    ・双方が20歳以上であること。
    ・住所について次のいずれかに該当すること。
    ア 双方が市内に住所を有すること。
    イ 一方が市内に住所を有し、かつ、他の一方が市内への転入を予定していること。
    ウ 双方が市内への転入を予定していること。
    ・双方に配偶者がいないこと及び当事者以外の者と同性カップルでないこと。

    ・市営住宅の申請
    ・市立病院において同性パートナーが入院した際に連帯保証人になること
    (※パートナーシップの要綱制定以前から、患者の方の承諾があれば連帯保証人になることができましたが、パートナーシップ受領証を提示することで手続きがスムーズになります)

    編集部コメント
    電話か庁舎窓口でパートナーシップの要件や内容について説明を受けた後に日程調整をする流れです。丁寧に対応いただけているようで嬉しい反面、市役所の開庁時間に合わせて話をきく時間を作らなければならないのはハードルに感じる人もいるかもしれませんね。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず宝塚市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①事前申し込みをする(担当者と面談日時を決定)
    ②予約日に宣誓書と書類を提出する
    ③交付可能日の連絡がきたあと、来庁して証明書を受け取る

    <提出書類>
    ・住民票
    ・独身証明書
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    以下の要件を満たす同性カップル。
    ・双方が20歳以上であること。
    ・双方が独身であること。
    ・双方または一方が市内在住であり、一方が市内に住んでいない場合は市内に転入の予定であること。

    ・伊賀市立上野総合市民病院でパートナーの病状説明を聞くことや手術の同意が可能
    ・伊賀市営住宅への入居申請

    編集部コメント
    伊賀市の場合、宣誓書は来庁時にその場で記入します。事前準備は、"担当者の日程を押さえること"と"住民票・独身証明書を準備しておくこと"だけなので、他の自治体に比べ煩雑さは少ないですね。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず伊賀市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①宣誓したい3開庁日前までに、電話またはメールで予約する(平日9:30~、11:00~、13:30~、15:00~のうちいずれか)
    ②当日来庁して書類提出・宣誓、受領証を発行してもらう

    <提出書類>
    ・住民票の写し又は住民票記載事項証明書
    ・独身証明書または戸籍個人事項証明書等
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する者。
    ・両当事者がともに成年に達していること。
    ・当事者の少なくともいずれか一方が市内に住所を有し、又は市内への転入を予定していること。
    ・両当事者がともに現に婚姻をしておらず、かつ、現に当該パートナーシップ関係の相手方以外の者とパートナーシップ関係にないこと。
    ・当事者同士が民法734条(近親者間の婚姻の禁止)及び735条(直系姻族間の婚姻の禁止)の規定により婚姻をすることができないとされている者同士の関係にないこと。

    2018年9月現在、「市営住宅の入居について婚姻関係と同様に取り扱うことができるよう所管局において検討を進めている」とのことです。

    編集部コメント
    3開庁日前までに予約が必要です。時間が区切られて選択肢が用意されているので「何時にする〜?」という手間も省けそう。電話や来庁ではなくメールで予約ができるのも嬉しいですね。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず大阪市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①宣誓する日時を事前に電話等で調整する
    ②必要書類を揃え、予約した日時に二人で来庁する
    ③市職員の面前で宣誓書を記入する
    ④福岡市から宣誓書の写しと宣誓書受領証を交付される

    <提出書類>
    ・住民票
    ・独身証明書などの独身であることを証明する書類
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次のすべてに該当する、一方または双方が性的マイノリティの二人。
    ・双方が20歳以上であること
    ・市内に住所を有している、又は市内への転入を予定していること
    ・双方に配偶者がいないこと及び他にパートナーシップの関係にないこと
    ・双方の関係が近親者出ないこと(パートナーシップに基づく養子縁組は除く)

    福岡市HPには、「パートナーシップの宣誓による宣誓書受領証の交付を通じ,性的マイノリティの方々が抱える生きづらさの解消につなげる」と記載されています。携帯電話会社の家族割、銀行の住宅に関するペアローンなどの民間サービスの利用に際して提示することを想定しているようです。(参考:福岡市パートナーシップ宣誓制度の手引き)

    編集部コメント
    宣誓書は職員の前で記入するようですね。交付まで日数が必要な自治体もある中で即日で受け取れるのは「パートナーになったんだ」という強い実感を持てそう。

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず福岡市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    ①電話で事前予約をする(申請の日時を決定・必要書類の確認)
    ②当日申請する
    ③1週間後、証明書を受け取りに行く

    <提出書類>
    ・那覇市パートナーシップ登録申請書
    ・住民票抄本
    ・戸籍抄本
    <来庁時に必要なもの>
    ・免許証など本人確認ができるもの

    次の5つを満たす人
    ・互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活をしている、又はそうしようと約束していること。
    ・2人の戸籍上の性別が同一であること。
    ・20歳以上であること。
    ・住所につき下記の①②③のいずれかに該当すること。
     ①2人とも那覇市民であること。
     ②1人が那覇市民、もう1人が市内への転入を予定していること。
     ③2人とも市内への転入を予定していること。
    ・下記の①②に該当する、1対1の関係にあること。
     ①配偶者がいないこと。
     ②申請者以外の者とのパートナーシップの関係がないこと。

    ・市営住宅の入居申し込み
    ・医療機関での手続き等での活用など
    (関係機関と調整予定)

    編集部コメント
    中野区と同様、申請時に「パートナーシップ登録申請書」の提出が必要です。事前に様式をHPからダウンロードして記入して持って行っても、当日窓口で記入しても良いそうです。前もって準備できるのは嬉しいですが、職員の前で"宣誓する"という感動は薄いかも…?

    ※本情報は、2018年11月時点でのPalette調べです。申請の前に、必ず那覇市ホームページを確認し、不明点は担当課への問い合わせをお願いいたします。

    今回Paletteでは9つの自治体のパートナーシップ申請方法について調査しましたが、自治体によって必要書類も手順もさまざま。この調査結果を元に、実際に東京都中野区でパートナーシップ制度を利用しようと検討している女性にお話をうかがいました。

    中野区でパートナーシップを申請予定のAさん

    -中野区で申請予定とのことですが、準備はどのあたりまで進んでいるのでしょうか?

    必要な書類は全部揃ったので、あとは区役所に予約の連絡を入れて提出をするだけですね。

    -おめでとうございます!手続きはスムーズに進んだんですか?

    役所のホームページに手順が記載されていたので比較的スムーズでしたね。でも、わからないことをすぐに誰かに聞けない状況はちょっとつらかったかな。そもそも周りにパートナーシップ制度を利用したことのある人がいなかったから、出し方や必要書類についてまず役所の区報やホームページを見て調べなければならない、というのが小さなハードルでしたね。

    -なるほど。ちなみに中野区はパートナーシップ制度を実施している自治体の中でもっとも提出書類の種類が多いって知ってました?

    いえ、知りません。自治体によって違うんですね。本音を言えば手続きはもっと楽な方が良いなと思いました(笑)。申請したい14開庁日までに予約をしなければいけないっていうのもちょっと面倒だし。でも、簡単に出せるものではないからこそ本人同士の意思確認ができるっていう良い面もありました。一緒に生きていくということにどんな責任が生まれるかも改めて考える機会にはなったかな。

    今回の記事では、各自治体のパートナーシップ制度とその申請方法についてまとめてきました。

    その結果、自治体によって必要書類や予約の条件などに違いがあることがわかりました。さまざまな雑誌やウェブサイトに情報が掲載されている"結婚"と比べれば、情報を集めるのは少し手間がかかるかもしれません。

    しかし、それも二人の幸せな未来のため。申請の前には必ず各自治体のホームページを確認し、状況に応じて問い合わせ窓口を利用しながら一歩ずつ前に進んでいってくださいね。

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