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「自分にとって、最高の自分であるために」ロールモデルバトン|第2回ゲスト カワイミオ

2018.11.21

Paletteでは、社会に溶け込み、"LGBTQ+として"だけでなく、"ひとりの社会人として"自分らしく生きている素敵なLGBTQ+のロールモデルをゲストに迎えて取材し、仕事やプライベートについて深掘りながら聞いていく企画を行っている。

ゲストには最後に「あなたの素敵だと思うLGBTQ+を紹介してほしい」とお願いし、次のゲストにバトンを渡していく。

第2回目は、美容サロンIJK OMOTESANDOでトップスタイリストを務めるカワイミオ氏をゲストに迎えた。

(インタビュアー:合田文)

自分のために美しくありたい人の為に“私が出来る全ての事でサポートしたい。”という思いから、美容師としてヘアスタイルやメイクで人の魅力を更新し、取得して磨き上げた小顔矯正や筋膜矯正で沢山のお客様のお顔を整えている。将来はボディケアやランジェリーまで提供したいと考えている。

合田:率直に、ご自分がバイセクシュアルであることをオープンにして働くのって、ハードル高くなかったですか?

カワイ:うーん、ハードルは高くなかったですね。私の場合、小さい頃から母がLGBTQ+の人たちを見て「そういうのも全然あるよね」と言ってくれるタイプだったのも大きいかも。

合田:それはとっても心の支えになりますね。

カワイ:ですね、寛容な親だったんです。SNSにも結構堂々と"バイセクシュアル"って書いているんですけど、性のあり方に悩みのあるお客さまにも「この人は理解あるのかな」と思ってもらいたくて。

合田:私の知り合いのトランスジェンダーの方も、美容室に行くのが億劫だと言っていました。その人の場合は、美容師さんと会話するだけで自分の性別がバレてしまうから、って。

カワイ:ああ、なるほど。そういう悩みを持った人にも自然に自分らしいオシャレをしてほしいです。

合田:ミオさんのヘアも今はベリーショートで、女性らしさとは紐付かないスタイルだけど、それもミオさんの自分らしさなんですよね。

カワイ:そうそう、これは好きでやっていて。私がしていきたいことって、みんなが自分にとって、最高の自分であるために必要なことを提供することなんです。

合田:私にとって最高の私か…。あまり考えたことなかったかもしれない…。

カワイ:自分がしたいことや、なりたい姿ってその時々で変わっていくけど、それに対して素直でいることが大事だと思うんです。誰しも理想像ってあるじゃないですか、「こんな風になりたい!」っていうやつ。それを肯定できると良いと思うんですよね、「自分には無理!」なんて決めずに。

合田:なるほど。

カワイ:仕事で、ほぼランジェリー1丁のモデルさんをヘアメイクセットして撮影するんですけど、やっぱりその人が持っている肌や身体の感じって素敵なんですよ。本人が、その人そのものの可愛さや綺麗さを肯定できるようにしたいですよね。

合田:自分の良さを引き出す、みたいな。

カワイ:そうです。最近撮ったのは産後の方で、体のラインは戻っていないけど、頑張って赤ちゃんを産んだ証で、そのお腹がちょっと出ている感じとか、その瞬間だけのもので愛おしいじゃないですか。ありのままの自分を愛することができるような女性が増えていくといいなと思って仕事をしています。

そのときのモデルさん

合田:たとえば、男性から"愛される、モテる"みたいなのだけが正解なのではなく、自分が肯定できる最高の自分を持つことができたら、もっと表現の幅も自由になるかもしれませんよね。

カワイ:そうなんですよね。別にモテる必要ないよな、って私は思っているタイプで(笑)。綺麗になって、好きな人からモテたいって思うのは素敵だし、モテることを大切にする人もいるかもしれないけれど、それだけじゃない。みんなもっと自分のための自分を肯定して、自由であってもいいんじゃないのって思っています。

合田:自分ってバイセクシュアルなんだな〜って思ったのってどのくらいの時期ですか?

カワイ:小学校のときに、幼馴染の女の子を好きになったときかな。保育園から中学校まで一緒だったんですけど、別の子と仲良かったりすると妬いてしまったりして(笑)。

合田:ある、ある(笑)。

カワイ:「ああ、今後この子と、どうしていこう」と思ったときに、大きかったのはそういう私の気持ちも肯定してくれた母の存在でした。幼馴染のことが人として好きで、それがたまたま女の子っていうのはおかしくないよね、と思うことができたのはよかった。

合田:カミングアウトとかも自然にできたんですか?

カワイ:いや、なんか大々的にカミングアウトみたいなのはしてないんです。小学校のときから「私、女の子も好きになるの」って周りに自然に話していたんですよね。

合田:それは、大人でもなかなかできる人少なそう…!

カワイ:私の仲の良い子たちも、個性的な子が多かったからか「あ〜、そうなんだ〜」みたいな感じで(笑)。「自分が女の子も好きになるんだ」と周りに伝えることに対して、抵抗がないんですよ。悪いことだと思ってない。

合田:お母さんや、お友だちのように、近くに「良いんじゃん?」って言ってくれる人がいるだけで、多くのLGBTQ+の当事者が持つ罪悪感のような感情はなくなりますよね。

合田:ミオさん、中学生以降はどんな恋愛をしていくんでしょう?

カワイ:中学生のとき、吹奏楽部の女の先輩を好きになりました。トランペットのパートの先輩で、楽器が上手で美人だったんです。なんか、カリスマだったな…。

合田:最高。

カワイ:周りの友だちにも「先輩のこと恋愛的な意味で好きなんじゃないの?」って言われてましたね(笑)。先輩と一緒にいるとドキドキしてたし、その先輩も私がドキドキしてるの知っててあしらわれたり(笑)。

合田:わ〜!それは罪だぞ、先輩〜(笑)。

カワイ:ね〜(笑)。結局先輩のことは片思いで終わってしまったんですけど、高校生のときには同じ学年の男の子と付き合いました。彼は男の子だけど、男の子も好きになるタイプだったんじゃないかなと思います。でも、高校で出会って私をいいなと思ってくれたみたいで。

合田:彼もバイセクシュアルだったのかもしれませんね。

カワイ:性格は超オレサマで(笑)。高校生の間、くっついたり別れたりを繰り返していました。その間に、後輩の女の子と仲良くなっていって…。

合田:ほう…!

カワイ:なんか、まさに中学校のときの私と好きだった先輩の構図と同じなんですよ!同じトランペットパートの女の子の後輩が私を好きになってくれて。

合田:めっちゃ吹奏楽部でラブ起こるじゃないですか!

カワイ:その子はノンケ(異性愛者)なんだけど、私のことをすごい好きでいてくれたんですよ。彼とくっついたり別れたりの時期で、気持ちを支えてくれたのはその後輩の女の子だったんです。で、私の方から「付き合ってみる?」って聞いたら「付き合ってみたい」って言ってくれて。割とオープンに付き合っていましたね。

合田:ほっこりしました…。学生時代から、男性とも女性とも恋をしてきたんですね。

合田:自分のしたいと思った仕事を選んで、トップスタイリストにまで上り詰めたミオさんですが、何がご自分を突き動かしたんでしょう。

カワイ:とにかく私は、好きなことを選んできただけなんですよね。中学校のころから友だちのコスメを選んだりするのが好きで、自分が少し手を加えて、その子が今よりも"その子にとっての最高"に近づいてくれたら私も気持ちいいんですよ。それが、今の仕事に直結しているかも。

合田:芯というか、やりたいことの本質は変わっていないんですね。

カワイ:はい、人に喜んでもらうことが好きなんでしょうね。そして、その"好き"に、素直でいること。ヘコむことやミスをするときもあるけれど、それでやりたいことを変える必要ないと思うんです。その仕事が向いてないんじゃなくて「今回の、この失敗がだめだったんだ」って思えるかどうかが大切かもしれません。

合田:確かに、その仕事そのものを嫌いになってしまう必要はないですよね。

カワイ:自分との対話をしっかりして「やりたかったらやればいいじゃん」って言ってあげてほしいんです。違うと思ったら、選択肢なんて色々あるんだから、色々やってみてだめだったらやめればいいじゃん、って。それくらい素直でありたいですよね。

合田 : さて、最後に、次のバトンを渡す相手を決めます!ミオさんの素敵だと思うLGBTQ+の方を紹介していただけますか?

カワイ : ゲイバーを開店された、あかねさんという方です。私の働くサロンのオーナーの親友で、お客さまでもあり、あかねさんのお店にもよく遊びに行くんですよ!

合田 : わ〜!これは楽しい取材になりそうです!ありがとうございます。

パレットでは、引き続き"ひとりの社会人として"自分らしく生きている素敵なLGBTQ+のロールモデルの方を紹介していきます。

それでは次回もお楽しみに!

(撮影:

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